話題のグラフィックソフトAffinityで印刷データを入稿してみる

兼ねてよりIllustratorやPhotoshop、そしてInDesignの代替買い切りソフトとして販売されていたAffinity
2025年10月Canvaに統合され永久無料ツールになったことで一躍注目を集めていますね。ネット印刷界隈でも、Anffinity入稿の特設ページを用意する印刷通販会社さんが急増!

というわけでこれまでAffinityは聞いたことはあれど触ったことがない!という筆者ですが、今回は既存のaiデータからAffinity経由で入稿用PDFを書き出しし、実際に入稿してみます。

まずは基本。Affinityでの印刷データ作成方法は?

Illustrator形式のデータを作成する前に、Affinityでの印刷物データの作成から試してみましょう。
まずはAffinityをダウンロード。アカウントははCanvaアカウントが利用できます。

立ち上がったら黄緑色「+」のアイコンからドキュメントを新規作成します。

新規作成

新規作成

オーソドックスなA4サイズ(横長)の印刷物の設定で作ってみます。
A4のプリセットから

  • ドキュメント単位 →ミ リメートル
  • DPI → 400(印刷物は360dpiで作成)
  • カラーフォーマット → CMYK/8
  • カラープロファイル → Japan Color 2011 Uncoated
  • 断ち落とし →  上下左右3mm

で作成。

DPI(画像解像度)は、フルカラー印刷物の場合360dpi以上の推奨の印刷会社さんがほとんどですが、今回は、Affinityでのデータ入稿に対応している印刷通販グラフィックの推奨設定に合わせました。
印刷会社への入稿用データのため断ち落としも忘れずに。

これでアートボードが作成できました。

キャンバスができました

アートボード

一からデザインを作成の場合は、このままAffinity上でデザインを作成すればOK。
ファイルは「.af」という拡張子で保存されます。

既存のIllustratorファイル(ai形式)をAffinityで開いてみる

そもそも各種Adobeファイルは開けるのか問題

Afffinityは、Illustrator以外にPhotoshop、InDesignといったソフトの代替ツールとしても注目されています。
そこでまずは各種Adobe製品との互換性もチェックすべく、筆者の手持ちのAdobe系ファイルを開いてみたいと思います。

印刷入稿によく使用されるファイルをざっと試してみたところ、結果は以下のようになりました。

  • ◯  .ai(Illustrator)
  • ◯ .psd(Photoshop)
  • × .indd(InDesign)
  • ◯ .idml(InDesign)

古いInDesign形式のファイル以外は開くことができました。
ただし、idml形式のファイルでも、縦書きで組んでいたものは全て横書きになって表示されたので、こちらは移行にはまだまだ課題がありそう。
フォントに関しては、パソコン内にインストールしているものは問題なく表示できました。

印刷用のIllustratorファイルをAffinityで開こう

それではいよいよ既存ファイルを開いて、印刷用ファイルを書き出しましょう。
ちなみに現時点では、Affinityを利用する場合はOffice系ファイル等と同様、PDF形式で書き出したものを入稿用データとして使用します。

まずは「ファイル」>「開く」からIllustratorで作ったA4チラシのai形式ファイルを選択。

「PDFオプション」というウィンドウが開きます。チラシ1枚の印刷用データなので、今回は

  • アートボード
  • 400DPI
  • 色空間:CMYK

で開きます。
※DPIは今回、印刷通販グラフィックの推奨に合わせました。

.aiファイルの読み込み

.aiファイルの読み込み

読み込みできました。レイヤーもそのまま維持できています!
ただ、トンボや塗り足しが隠れており、断ち切りラインより外がぱっと見だと存在していないように見えます。

開けました

開けました

デザインレイヤーに配置していたものを選択してズラしてみると…隠れていた部分が見えました。

隠れていた部分

隠れていた部分

Affinityで印刷入稿用PDFに書き出ししてみよう

印刷用PDFに書き出ししてみましょう。
印刷会社さんによって推奨されるPDFの形式は異なりますが、今回は印刷通販グラフィックの書き出し推奨設定に沿って選択していきます。

「ファイル」>「エクスポート」>「書き出し」を選択。

書き出し

書き出し

PDF形式の中から、

  • PDF/X-4
  • ドキュメント解像度を使用
  • 画像のダウンサンプル→オフ
  • JPG圧縮を許可→オフ
書き出し設定

書き出し設定

  • 断ち落としを含める→オン

上記設定で「書き出し」します。

書き出し設定

書き出し設定

書き出したPDFファイルを開いてみると…
どうやらIllustratorで作成配置してラスタライズしていなかったパターンが表示されていない模様。

ただ、Illustratorでつけたトンボは四隅に表示されており、塗り足し部分も含めた書き出しという点では成功しています。

変換失敗①

書き出し失敗①

Affinityに戻って、「ピクセル」>「ラスタライズ」>「ラスタライズ」から、パターンをラスタライズしてみます。

パターンのラスタライズ

パターンのラスタライズ

Affinity上では問題なく表示されているので、先ほどと同じ設定でPDFに書き出しをしてみると…
上の方の表示がおかしなことに。…なかなか難しいですね!

書き出し失敗②

書き出し失敗② ※トンボは消しました

仕方がないので、llustratorでパターンをラスタライズしたものを、PDFで書き出し。
今度は問題なく書き出し完了しました。

Illustratorのファイルを開く際は、

  • パターンなどのラスタライズ
  • フォントなどのアウトライン化

上記はしておくのがベターですね。

Affinity入稿手順(グラフィック)

今回はそのままグラフィックで注文

最終的に書き出したファイルを使用して、印刷通販グラフィックで実際にチラシを注文します。

希望する商品の仕様を選んで

入稿方法で「セルフチェック」を選択して「決定」。

「セルフチェック」を選択

「セルフチェック」を選択

カートに入れてご注文手続きへ進み、注文を完了させます。

カート

カート

注文が完了したら、データ入稿へ進みましょう。
マイページからも入稿可能です。

データ入稿へ

データ入稿へ

「ご入稿待ちのご注文」の中から、該当データの入稿方法選択で「Web入稿する(スマートチェック)」を選択します!
「PDF入稿する」では入稿できませんのでご注意を!

入稿方法の選択

入稿方法の選択

先ほど書き出したPDFファイルをドロップしてデータ送信すると…

ファイルのアップロード

30秒足らずでチェックが完了!
3Dデータで確認できる他、校正画像(PDF)のダウンロードも可能です。

スマートチェック

スマートチェック

問題がなければ「入稿を完了する」をクリックして入稿完了です。

Affinity入稿手順(グラフィック)

Affinity経由で書き出し・入稿したチラシが到着!仕上がりは?

手元に到着した商品がこちらです。

商品の到着

Affinity経由で書き出したPDFファイル、問題なく印刷できました!
グラフィックさんなので3Dプレビュー通りの安定した仕上がりです。

商品の仕上がり

商品の仕上がり

今回は既存のIllustratorファイルをAffinityで開き、入稿用PDFファイルを書き出すという手順を取りました。
結果、ラスタライズやアウトライン化を済ませた完全データであれば、AIデータからPDFへの書き出し及び入稿は問題なく行うことができました。
ただし、今回ラスタライズしていないパターンが変換されなかったように、差し替えや修正など、何らかの手を加える必要がある場合は、機能の互換性に不明な点も多いため、追加で検証が必要になりそうです。

今回ご紹介したグラフィックの他にも、プリントネットプリントパックなど、Affinity経由でのPDF入稿のガイドを公開する印刷通販会社が続々と登場しています。

これまでもCLIP STUDIOやMediBangPaintなど、ペイントソフトではPSD形式を開けるものは多くありましたが、Affinityの無料化により、AI形式のファイルを取り扱うハードルも少し下がりそうです。

Adobeからの完全移行となるとまだ課題も多そうですが、筆者個人としても、今度はAffinityでゼロからの印刷物データの作成にも取り組んでみたいと考えています。

Affinity入稿手順(グラフィック)