プリントバディ
プリントバディ
「光沢加工というマーケットにはのびしろがものすごくある。もっともっとたくさんのデザイナー、企業様に光沢加工について知ってもらって、使って欲しい。自分のやるべきことは光沢加工を身近に感じてもらうこと」という岸田さん。物腰の柔らかい優しい方です。
いえいえ、大丈夫です。私もこの会社に来たときは分かりませんでした。
紙の表面に加工する「表面加工」には、主に「光沢加工」と「箔押し」があります。なので、皆さんがよく目にされる表面加工の中で「箔」以外はほとんど光沢加工に含まれてしまいます。厳密にいうとシルクスクリーンを使ったニスの厚盛などは光沢加工には入りませんが、うちでは、それらも含めて提供しています。
ラミネート、コーティング、シルクスクリーン、UVオフセット印刷に分かれます。
今、プリントバディで提供しているのはホログラム加工、シルクスクリーンによるUVクリアニス厚盛、ラミネート加工(PP、マットPP、和紙フィルム)です。
一番受注が多いのはホログラム加工。これは、おそらく印刷通販では最多の8種類の模様パターンを用意しています。
それから、印刷物の表面に凸凹をつけることで独特な手触りや高級感をプラスしたものを「プレミアムリーフレット」としてご用意しています。一つは、最近の印刷物の加工で人気があるシルクスクリーンを使った UVクリアニス厚盛。透明なので絵柄を邪魔しません。模様パターンは「ウェーブ」「檜垣」「クロコダイル」「渦巻き」の4種類から選べます。
もう一つは、和紙フィルム。模様は「雲竜」と「市松」の2種類です。和紙の風合いや手触りを楽しんでいただけます。通販で提供しているのは印刷した上に和紙フィルムを貼るものですが、個別にご相談いただければ和紙フィルムの上に印刷をすることも可能です。
はい。でもプリントバディで提供しているものは高価ではないんですよ。独自で版をおこせばもちろん高価ですが、プリントバディの場合は通販の利点を活かし、あらかじめこちらが用意した柄から気に入ったものを選んでいただく方式をとることでコストを抑えています。
印刷機を保有していますので、印刷から光沢加工まで一貫して宏和樹脂工業の自社工場で行います。これも、重宝していただいているポイントだと思います。板橋に2か所、戸田に1か所工場があり、加工の種類に応じて振り分けています。
プリントバディは、単体で大儲けをしようと考えて立ち上げた事業ではありません。今までは一部の企業や出版社に限定されていた光沢加工という表現を、もっと皆様に身近に感じていただきたい。通販という販売方法を選んだのは、皆様に価格を提示することで予算感を掴んでいただき、光沢加工に対する不安を少しでも解消できればと考えたからです。それによって、光沢加工に触れる機会が増えれば、光沢加工業界の底上げにもつながると考えています。実際、クリスマスやバレンタインに向く表現だと思っていたホログラムが花火大会のポスターに採用されて大きな成果を上げたと聞き、運営者の私たちも「夏でも活躍の場があるんだ!」と気づかされたりしています。
私たちが持っている表現のバリエーションを、まずは見ていただいて、いろんな方に光沢加工の可能性を広げていただきたい。そんな思いでプリントバディを運営しています。
運営者のコメント
ニス厚盛やホログラムなどは、”特殊印刷”の類と認識していて敬遠していました。特殊印刷加工は見積りをとっても高価すぎていつも予算オーバー、いつしか選択肢に上がらなくなり、遠ざかっていたのです。
なのでプリントバディさんの「アイテムや柄を絞って光沢加工を低コストで提供する」という手法はとても新鮮でした。取材の際に見せていただいた加工見本を前に、「過去のあの制作物でこの柄使いたかったな」「あのポスターでこの加工使えたな」・・・という思いが湧いてきました。
現在のプリントバディさんは、アイテムや紙の種類や柄が限られていて自由自在に制作者のニーズにこたえるところまでは行っていないかもしれません。だからこそぜひ一度サンプルを取り寄せ手元に置いていただき、マッチする案件があればどんどん使っていただきたいと思います。利用者が増えれば、柄や用紙の選択肢が増えてより便利になるに違いありません。
プリントバディさんが印刷通販単体の利益ではなく「光沢加工をもっと知って使ってほしい」という想いから運営されていることがよく分かり、応援したくなりました。
2015年09月01日