デザイナー・インタビュー
Vol.3

Wakabadai AD Service

篠原 直路 さん

文字はおもしろい。その想いが今のロゴデザインにつながっている。

若葉台でデザイン事務所を運営している篠原直路さん。文字をデザインするという仕事に魅せられ、かつてフォントデザインを専門に行っていた。一つ一つの文字を丁寧にデザインするということ、またその文字が身の周りのあらゆる場所で使われること。まさに「後世に残る仕事」だ。文字への想いは今ロゴデザインの分野で活かされている。

デザイナーとしての出発点は?

武蔵野美術大学のグラフィックデザイン課で学び、卒業してすぐに「タイプバンク」というフォントを作る会社に就職しました。タイプバンクというのは、フォントの制作に特化した会社で、決して表に名前が出る会社ではありません。ですがその世界では有名な会社なんです。

フォントというと地味な印象がありますが、おもしろいですか?

面白かったです。文字は何千字という数があります。一つのフォントを作るのは、それこそ億単位の制作開発費用がかかります。小さな企業が2~3人で取り組んだとしたら、10年もかかります。10名で取り組んでも数年かかります。フォント作成はそれだけ大きなプロジェクトなんです。ジャギーがでないように配慮する必要があり、一つのフォントに対して印刷用、電光掲示板用、テレビのテロップ用と調整してあげなければいけません。そしてリリースされた暁には自分の携わったフォントが、いろいろなデバイスやメディアで使われます。(ファミリーレストランのメニューを指差し)ほら、このフォント。これは私が携わったフォントです。

分かるんですか?

ええ、分かります。もう20年以上前に携わったフォントですが、こうして使われています。

フォントデザインの仕事を続けられたかったのでは?

・・・続けたかったです。しかし業界自体が非常に縮小してしまったので続けることができませんでした。台湾からフォントをデッドコピーする会社が出てきてしまい、裁判になったのですが負けました。ざっくり言うと「文字がなければ思想をあらわすことができず、フォントに著作権は認められない」というようなことです。それからはデッドコピーが主流となり、作ったとしても既存のフォントに多少手を加える程度で、何億も費用を掛けてフォントを作成する会社はなくなりました。だから今でも、私たちがつくった昔のフォントがすべての文字の基礎になっていると思います。

その後商業デザインの道にすすまれたのですね?

はい、印刷会社のデザイン部門で5年間勤務しました。ここで身につけた商業デザインのノウハウやコミュニケーション能力は今も大いに役立ってます。クライアントの折衝を覚えたり、ディレクション能力を磨いたりという時期だったと思います。例えば、私はお客さんによって提案するデザインテイストを変えています。お客様に言われた事だけをやっていればいいのではない。お客様が言葉にした要求以外のところに本質が隠されていることが多いです。その方の考え方、服装、目の動き・・・これらの情報を総合して潜在ニーズ把握に努め、提案内容に反映します。その後独立してもう14~5年になりますが、このコミュニケーション能力はデザイナーとしては必須のものだと思っています。

印刷通販の利用経験が豊富でいらっしゃいますね。

はい、普段は東京カラー印刷をメインに使っています。あと、プリントパックも使いますけど。東京カラー印刷を使う理由は、東京にあるのでいざというときに工場までいけるという安心感からですね。
サイトが分かりづらいので最初は躊躇しましたが、「安いし、だまされてもいいや」と思って発注してみたら意外とよかったので。ただ印刷通販ならではの不便な点があるのでケースバイケースだと思います。

印刷通販の不便な点とは?

まあ表紙だけ用紙を変えたいとか細かい要望に対応していただけないとろろですかね。あとはこちらのデータに不備があったときに指摘してもらえないのは非常に痛いですね。例えば一度データの中で写真の左右が反転していたことがありましたが指摘してもらえずそのまま刷られてしまいました。写真の中に文字が写っていて逆を向いているので、注意して見ていれば分かるはずです。あとは”season”が”seeson”になっていたりするスペル違いを指摘してもらえなかったり。ページ物のときに文字が見開き2ページにまたがって乗ってしまっているのを「泣き別れ」というのですが、泣き別れになっているのを指摘してもらえなかったり。もちろん、こちらのデータの不備なのでこちらの責任ですし、そういうサポートがないから安いのだということは納得して使っているのですが。でも従来の印刷会社だったら指摘してくれたのになあ、って思います。

今後どのようなデザインに携わっていきたいですか?

今の時代のデザインっていうのは、柔らかくて、線が細くて、明るくて、軽いです。昔のデザインって重かったですよね。ほとんどの方は気づかれていないと思いますが世界的に有名な会社のロゴが次々と細く軽いロゴにプチリニューアルしています。現状、会社案内のデザインやロゴデザインなど、企業イメージを構築する部分をお任せいただくことが多いので、私もそういう時代の流れを汲んだデザインというのを心がけていきたいです。

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社名

Wakabadai AD Service

所在地

東京都稲城市坂浜545-10

氏名

篠原 直路

連絡先

info@wakabadai-ad.com

運営者のコメント

この度は興味深いお話をお聞かせいただきありがとうございました。
独立して10年以上もデザイナーを続けられているとのこと、素晴らしいと思いました。
インタビューの際にデザインサンプルをいただいた冊子を当サイトで価格検索をするとこのような結果でした。
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今後ご参考にしていただけましたら幸いです。

2013年09月02日

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