Canva以外に何がある?オンラインデザインツールで名刺を作成・比較!
Canvaで名刺、注文したことありますか?
最近人気のグラフィックデザインツール「Canva(キャンバ)」。
サイト内に予め用意されている素材やテンプレートを自由に使用できるため、デザイン未経験者でも手軽にグラフィックを作成できる人気のツールです。SNSや動画サイトなど、WEB上で使用するグラフィックの他、サイト上からそのまま印刷発注ができることでも知られています。
実は、各印刷通販会社でも、Canvaと同様にサイト上でデザイン作成ができるサービスが多数あることをご存知でしょうか?
今回は、Canvaとその他印刷通販会社の無料ツールを使って、実際に類似デザインを作成、印刷発注までを試してみることで比較してみたいと思います。
各社デザインツールで発注から実物までを比較してみよう
まずは今回作成したい名刺のデザインのざっくりとしたラフを作りました。
基本情報のみが入った、ビジネスユースのシンプルな名刺です。
希望仕様は、日本の一般的な名刺サイズ(55×911mm)/片面カラー印刷/100枚/マットコート180〜220kg。
デザイン作成段階から実際に手元に届く商品までを実際に試して比較してみたいと思います。
Canva(キャンバ)
まずは人気の無料グラフィックデザインツールサービスCanvaから。
ツールの使用感
「グラフィックツール」というだけあり、豊富なデザイン編集機能を備えています。
写真・イラスト等の素材:海外系の素材が多い印象。無料の範囲では使用できる素材が限られますが、有料のCanvaプロを使用すると選択肢が増えそうです。
色指定は、htmlなどで使用する16進数カラーコードでの指定が可能です。印刷で指定するCMYK指定やRGB指定はできなそうですね。配置するオブジェクトの「配置」ツールで寸法指定なども可能です。
「アプリ」からQR作成ももちろん可能。
印刷物について
用紙は「上質紙」「普通紙」の2種類から選択します。ただし、これは一般的に印刷で使われる「上質紙」「普通紙」という紙の名前とは違い、Canva特有の呼び名のようです。
今回は「普通紙、マット仕上げ」で発注しました。
Canvaには納期を指定する機能がなく「2〜3営業日でお届け」固定です。
今回は商品は4日後に発送され、手元に届いたのは注文から6日目。段ボール梱包で、オシャレなケースに入って届きました。
用紙種類は不明ですが、よくビジネス用途で使用するマットコートに似ています。比較的青みが強い白の用紙なので、色味がはっきりと出ますね。
全体的にインクが薄めだからでしょうか。印刷の色味は、想定よりかなり明るめの仕上がりになっています。
物によっては青いベタの部分は掠れて下地の用紙が見えていました。
黒インクは綺麗ですね。
梱包の影響か、割と角潰れしているものも目立ちました。
裁断面は割とバリが多めで、格安印刷通販などではたまにみられるクオリティです。
価格と支払い方法
今回の価格は、100枚で2,000円配送料込みでした。
印刷用紙種類や価格から見ても、「印刷物をオーダーする」という目線で考えると、あくまでグラフィックツールのオプション的サービスといったところでしょうか。
支払い方法はクレジットカード・デビットカード/PayPal/GooglePayが利用できます。
請求書がマイページよりプリントアウト可能で、そちらに「〇〇で支払い済み」と表記があります。
ビズハウズ
オンラインデザインツールを利用してデザインから印刷までをワンストップで行える印刷通販ビズハウズ。
商品ラインナップが名刺・ステッカーから、横断幕やのぼり旗といった大物印刷まで幅広いのが特徴です。
ツールの使用感
画面左側のツールを利用して配置をしていきます。
ツール全体の構成がCanvaに似ているので、Canvaユーザーは慣れた感じで使用できるのではないでしょうか。
写真素材なども使用できる他、ツール内でAIによる生成イメージを作成・使用できるので、あしらいなどに困るときには便利そうですね。
使用できるアイコン素材はCanvaの方が豊富でしょうか。
また、ビズハウズで素材として用意されているデザインなどは韓国風のものが多いです。
色指定は16進数カラーコード指定で、図形挿入やフォント指定なども勿論可能です。
フォント種類はあまり多くないですが、有料会員のオプションで増やすこともできるようです。
印刷物について
用紙はマットコート、アートコートなど加工違いの5種類から選択可能。
発注から13日後、手元に届きました。韓国からで発注されるので、到着までは少しタイムラグがありますね。ダンボール梱包の中で、PPケースに入っていました。
(2024.4.15 追記:本記事の公開後に、当日発送の「即日名刺の提供が開始されていました。お急ぎの方はそちらもチェックしてみてください。)
今回はPP加工をつけたくなかったので、マットコート258kgを選択。ビジネスシーンでよく使用されるマットコート220kgと、素人目に違いはわかりませんでした。
読み込んで配置したロゴもボケたり荒れたりすることなく、綺麗に印刷されています。
Canvaの名刺と比較してみましょう。
ビズハウズの方は刷り色も安定しており、インクもしっかりと濃い色で安定していますね。
コーポレートカラーも思った通りの色が出てくれており、裁断面もとても綺麗でした。
価格と支払い方法
価格はマットコート258kg 片面 100枚で1,054円。
配送料が別途500円で、合計 1,554円でした。
Canvaと比較すると500円近くお安いですが、配送までに時間を要してしまうところは気になるところではあります。
支払い方法はクレジットカードのみで、領収書はマイページより発行可能です。
ラクスル オンラインデザイン
テレビCMでもお馴染みの有名印刷サイト「ラクスル」。
ビジネスシーンでの印刷物発注では使われたことがある方も多いはずです。
オンラインデザインツールは完全使用料無料。今回作成する名刺の他に、チラシ・フライヤーやカタログ、ステッカーやパンフレットなどの印刷アイテムを幅広く発注することができます。
ツールの使用感
Canvaと比べて、シンプルな作りのツール。
最低限のツールなので、色々迷わなくて済むのはメリットですね。
カラーモードは、WEB作成などで利用する16進数で色指定が可能。
図形のサイズはもちろん、仕上がりサイズの端からの距離が確認できるのがとても便利!1mm単位で変形が可能なので使いやすいです。
配置した図形も同様に、数値入力でサイズ指定や位置指定が可能。
フォントはモリサワ系が使えるので、とにかく完成度が高く作れます。また、手持ちのフォントのアップロードも可能です。ただ、表示されるフォントサイズがmm表記なのでしょうか?ポイントではないのが少しわかりにくかったです。
イラスト・写真素材がPIXTAの素材が使用できるので、日本人向けの素材が多く、チラシなどを作成するのにはもってこいだと思います。
QRコード作成機能はないので、あらかじめ別で用意しておきましょう。
印刷物
発注の際に使用できる用紙種類は、13種類から。その中から更に厚さやPP加工の有無なども選べます。
「商品を注文するときに、入稿データとしてマイデザインから作ったデザインを選択する」という流れなので、ラクスルで使用できる印刷用紙などが全て使用できるのがメリットですね。
また、名刺の形は通常・欧米・小型から選択可能。
最短翌日発送が可能ですが、今回は、3営業日発送の指定で予定通り発送され、5日後には手元に届きました。
商品はプラケースに入って到着。
今回は、インクも濃く、色のバランスもよくかなり印刷物が綺麗でした!
ただ、ラクスルの場合は印刷が自社工場を持っておらず、色々な印刷工場で印刷されるので今回の品質が次回も得られるとは限らないのが悩ましいところです。
Canvaと比較してみましょう。
日本語フォントの安定感は、やはりモリサワフォントが使用できる分、同じようなレイアウトでもラクスルの方が安定して見えます。
価格と支払い方法
価格は100枚で3営業日後発送の場合855円。
配送料:宅配便 550円です。メール便:242円
Canvaと同様に宅配便で頼んだとしても合計1,405円なので、Canvaよりも600円近くお安く作成できます。
支払い方法は、クレジットカード・NP請求書払い・銀行振込・コンビニ払いから。領収書は後日マイページより無料で適格領収書の発行が可能です!
印刷通販グラフィック スマプリ®デザイン
印刷通販のグラフィックでは、「スマプリ®デザイン」というオンラインデザインツールを提供しています。使用料金はもちろん無料です。
ツールの使用感
スマプリデザインは、本格的な雰囲気の編集ツール。
レイヤー分けなども使用でき、昔からグラフィックソフトを使い慣れている方も親しみやすいかもしれません。
色指定は16進数の他、RGB、HSBでの指定が可能なので、色指定がしやすいですね。
図形サイズも縦・横のサイズをmm単位で指定可能で、思い通りの印刷物が使用できます。
また、グラフィック系ソフトのようにアンカーポイントで図形を書くこともできるので簡単なイラスト作成もできそう。
使用できる素材はいずれも無料です。
ラクスル同様、モリサワフォントが利用できるので配置するだけで完成度が高くなってくれるのはありがたいところです。
QRコード作成も、こちらのツール内でできるので便利です。
印刷物
用紙は20種類を超える種類から選択できます。(それから更に後加工なども可能)
今回は3営業日で注文し、予定通り発送されて5日後には手元に届いていました。
また、料金は変わりますが、品質にこだわりたい場合はオフセット印刷も利用できるので、そちらも試してみたいところです。
商品には紙製のケースが付属します。
マットコート220kgはナチュラルで落ち着いた白色で、ビジネスシーンにばっちり。
グラフィックは、とにかく印刷の質が安定していることが人気の理由でもありますが、オンデマンドツールの影響か、残念ながら今回は文字が少しぼやけていますね。
コーポレートカラーに当たる部分は希望の色が出ていました。
Canvaで印刷したものと比較してみましょう。
印刷物として手に取ると、やはり日本のブランドフォントを無料で使える強さを感じます。
また、今回はビジネスユースを想定していたので、印刷の刷り色が希望通りに出ているのは大切ですね。
また、グラフィックの場合は取り扱い用紙がとても多いので、凝ったデザインで名刺を刷りたい場合に用紙選びから楽しむこともできます。
価格と支払い方法
オンデマンド印刷の場合、100枚で1,370円です。
配送料は350円(2000円以上で配送料無料)なので、合計1,720円。
こちらもCanvaより安価に作成注文することができます。
支払い方法は代引き、銀行振込、クレジットカード、コンビニ決済、オンラインID決済(楽天ペイ、PayPay、au PAY、d払い)来店のほか、法人向けの支払い方法もあります。
納品書(兼領収書)などは、各種マイページより発行が可能です。
安く・印刷にもこだわりたいなら印刷会社のツールもおすすめ
印刷通販会社が提供するオンラインデザインサービスは、あくまでその印刷会社の利用を前提としているため、オンラインデザインツールであるCanvaとは違い、「印刷用PDFでの保存が不可能」などのデメリットもあります。
しかし、印刷クオリティの高さや、作成サイズや用紙種類・加工の豊富さ、価格の安さなど、印刷会社ならではのメリットも多数挙げることができました。
今回はゼロからデザインを作成しましたが、もちろん、いずれの会社でも様々なテンプレートが用意されており、基本的に無料で使用することが可能です。
「今までCanvaしか利用したことない」「他のデザインテンプレートを見てみたい」「Canvaより安く作りたい」という方、他の印刷会社のデザインツールを視野に入れてみるのはいかがでしょうか?