チラシや名刺の印刷サービスを利用する際によく聞く「オフセット印刷」「オンデマンド印刷」。
一体どんな違いがあるのでしょうか?

オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いとは?

オフセット印刷」は、入稿したデータから版を作成して、紙に転写する印刷方法。商業印刷や美術印刷などにも多く利用されており、印刷の品質は高め。製版にコストが掛かるので少数部の印刷には不向きですが、大量に印刷する場合にはコストを抑えることができます。

オンデマンド印刷」は、インクジェットプリンタや、レーザープリンタを利用した印刷方法。製版の必要がないため、短納期や少数部での印刷に対応してもらえるのがメリットです。ただし、印刷枚数が多くなるほどコストが高くなること、オフセット印刷と比べると品質が劣るのがデメリットでです。

ファインワークスで「オンデマンド印刷」「オフセット印刷」名刺を比較

印刷サービスを利用するシーンで、オンデマンド印刷とオフセット印刷を注文者が指定できるかどうかは印刷会社によって異なります。そんな中、オフセット印刷名刺とオンデマンド印刷名刺、どちらも取り扱っているのが京都の老舗印刷通販のファインワークス

というわけで今回は、ファインワークスで「オフセット印刷」「オンデマンド印刷」両方の印刷を注文して比較してみたいと思います。

注文できる内容の比較

まずは各印刷方法の、注文時の条件比較から。

オフセット印刷 オンデマンド印刷
納期 1営業日〜7営業日 1営業日〜3営業日
部数 100〜50000部(100部単位) 10〜3000部(10部単位)
価格 片面カラー100部3営業日/1,620円 片面カラー100部3営業日/1,299円
印刷色数
  • 片面モノクロ
  • 両面モノクロ
  • 片面カラー
  • 片面カラー/片面モノクロ
  • 両面カラー 
対応用紙
  • マットコート紙 135kg
  • アートポスト紙 180kg 220kg
  • 上質紙 135kg 180kg
  • エスプリコートC 135kg 180kg
  • エスプリコートFP 90kg
  • エスプリコートV 180kg
  • サテン金藤N 135kg 180kg
  • OKウルトラアクアサテン 220kg
  • Mr.Bスーパーホワイト 135kg 180kg
  • ヴァンヌーボVホワイト 150kg 175kg
  • アラベールナチュラル 130kg 160kg
  • マットコート紙 135kg
  • アートポスト紙 180kg 220kg
  • 上質紙 135kg 180kg
  • エスプリコートC 135kg 180kg
  • エスプリコートV 180kg
  • サテン金藤N 180kg
  • OKウルトラアクアサテン 220kg
  • Mr.Bスーパーホワイト 135kg 180kg
  • ヴァンヌーボVホワイト 150kg 175kg
  • アラベールナチュラル 130kg 160kg

【 オンデマンド名刺印刷のみに対応 】

  • Aプランナチュラルホワイト 135kg
  • レイナR 180kg
その他 特殊加工オプション選択可能

  • 角丸(3・4・6㎜)
  • PP加工(光沢・マット)
  • 原稿作成オプション選択可能
  • オンデマンド印刷では裏と表で1mm程度のズレが生じる可能性あり。
  • 予備はつきません

オンデマンド印刷は注文可能部数が最少10部で、10枚単位で注文可能と極小ロットに特化しているのが特徴的。オンデマンド印刷のみの対応用紙もあるところが面白いですね。
大量印刷に強く品質重視のオフセット印刷の場合は、別途料金で角丸加工などのオプションもつけることができます。

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価格の比較

先述のとおり、「オフセット印刷は大量部数向き」「オンデマンド印刷は少数部向き」ということですが、実際にファインワークスで名刺を注文した場合、どのくらいの部数の注文までがオンデマンド印刷がお安く、どこからがオフセット印刷がお安いのでしょうか?

同じ条件の「3営業日/マットコート紙135kg」で価格を比較してみました。
表の黄色い部分が、各印刷方法で同枚数を注文した時に安価で注文できるラインです。(クリックで拡大できます)

例えば片面モノクロの場合、400部まではオンデマンド印刷=1,571円オフセット印刷=1,640円オンデマンド印刷の方が安価ですが、オンデマンド印刷での注文部数が450部まで枚数が増えると1,644円とオフセット印刷での400部の価格を超え、500部になるとオンデマンド印刷=1,734円オフセット印刷=1,700円オフセット印刷の方が安価になります。

他の条件でも、100部単位で注文する場合、以下のボーダーラインでオフセット印刷の方が、オンデマンド印刷よりも1枚当たりの単価がお安くなりました。

  • 両面モノクロ…700部以上
  • 表カラー/裏モノクロ…500部以上
  • 片面カラー及び両面カラー…300部以上

また、オフセット印刷の場合は7営業日まで指定が可能なので、納期を長くすれば1枚当たりの単価はもっと安くなります。

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ファインワークス で実際に注文してみた

今回は、完全同一データを3営業日/マットコート紙135kgの条件で注文しました。

サンプル名刺データ

画面の環境によってはわかりにくいですが、右側の色鉛筆の写真部分から左にかけては、グラデーションでぼかしてあります。

注文から3日後にゆうパケットで商品が届きました。ファインワークスの名刺印刷は900部まではメール便での発送になるそうです。

ちなみに、オンデマンド印刷とオフセット印刷の印刷物を一緒にはカートに入れられない仕様のようで、今回は別々に注文してほぼ同時に入稿という形をとり、別送で同じ日に届いています。

パッケージ

サイトの注釈のとおり、オンデマンドには予備がつかなかったのですが、オフセットの方には予備がついていました。どちらもケース付きです。

ファインワークスの名刺比較

オンデマンド印刷とオフセット印刷の画質の比較

そして、比較してみた印刷物がこちら。
普段単体で印刷物を注文するとあまり気にならないですが、同一データで比較してみると違いが一目瞭然ですね。

ファインワークス _オンデマンドとオフセット比較

オンデマンド印刷は、コントラストがはっきりしており、文字の線も太め。文字の後ろの背景ベタ部分は少し荒れが目立ちます。グラデーションマスクの部分に関しては、ほとんど表現できていませんでした。 オンデマンド印刷

対してオフセット印刷の方は色彩表現が細やか。グラデーション部分も比較的きれいに再現されており、肩書きと名前の部分の色の違いもはっきり出ています。

オフセット印刷

こう比較するとやはり多少お値段が張ってもオフセット印刷を注文したい!と思うところですが、例えばこちらは以前、同様にファインワークス で注文したオンデマンド印刷の名刺です。

ファインワークスのオンデマンド名刺印刷質感アップ

このような色数の少ないデザインの場合や、特殊紙を使用していて背景の塗りがないような場合はオンデマンド印刷でも気にならないかもしれないなと思いました。

いかがでしょうか。オンデマンド印刷とオフセット印刷、どちらの印刷方法もそれぞれメリットがあるので、納期や予算、データに合わせて上手に活用したいところです!

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