デザイナー、株式会社takepoint
デザイナー、株式会社takepoint
デザイナーというと、デスクでの作業風景が思い浮かびますが、そのイメージを覆すほど発想も行動もアウトドアな山田さん。音楽経験を活かしつつ、記録映像からアーティストグッズまで幅広く作品を仕上げるその背景に迫りました。
元々は音楽が先なんです。自分のバンドのジャケット制作などから入りだして、それを追いかけすぎて・・・気がつけば仕事になっていたという。で、今逆になっている感じです。(笑)
それはありますね。案件も9割以上が音楽ベースというか。バンドマンやアーティストさんに関わるデザインなので、音楽をやっている人から見た視点、求める視点を捉えることはしています。
音楽にとって、デザインってものすごく大事なんですよね。とても重要な要素です。そして、デザインは元々頭の中にしかないもの。頭の中にしかない見えないものを、視覚的にバーンと見えるものにすることがデザインで、それが面白いなと。
全く無かったんです。バンドは高校生くらいから始めて、デザインは今から5年くらい前からですね。自分のバンドのフライヤー制作などで独学でフォトショップを触りだして、そこから友人のバンドのTシャツのデザイン等に派生していきました。
その頃アパレルでも働いていたんですが、デザインって目に触れる時にめちゃくちゃ必要で、重要だと思ったんですね。知り合いのデザインを受けていく中で、案件が増えていきました。
そうなんです。身近なところからグッズを作っていき、イメージを作って・・・デザイナーへの道は、まさにそれの派生でしたね。MAGシステムという、インディーズバンド向けのホームページ作成サイトがあるんですが、そこで3年前くらいにデザイナーとして動き始め、基本はそこ主体で行っていました。
気が付けば、3年で300バンドくらいのデザインをやっていました。
数珠つなぎという感じでしたね。そしていよいよ、デザインだけじゃおさまらない欲が出てきて、写真や映像を初めて、MV(ミュージック・ビデオ)のディレクションなどを最近はやるに至っています。
cross faithという、海外でも色々活動しているバンドがあるんですが、彼らの12曲入りのアルバムのアートワークで、1曲に1コンセプトずつ作り込むという仕事をしたことがありました。
1曲に1つずつのデザインはかなり細かい。とても大変だったんですけど、燃えましたね。
各曲のコンセプト、曲、歌詞をひたすら読みまくるところから始まりました。後は本人達が出したい世界観。1曲ずつWEB上にもページを作りました。再生ボタンがあり、音楽が聞けます。見る環境で背景を変えているので、色々な環境で見てもらいたいですね。背景のデザインは基本的にはサイズで合わせるんですが、今スマートフォンのアクセスの方が多いので、そこでの見え方を考えるなどして、工夫しています。
評判も、めちゃくちゃ良かったですよ!
アーティスト本人達にも喜んでもらえたし、自分としても、やりきった感がありました。
これはグラフィックで、ソフトはイラストレーターも使用はしますが、初め触っていたし使いやすい、というのがあって、ほとんどフォトショップで作りますね。手法としてはコラージュが得意です。写真等の素材を取り込みながら、あるものを組み合わせて、新しいものにする、という感じですね。
案件の世界観によって、デザインの切り口は様々にしています。
例えばファッションに特化しているなら、そこから入ることもできますし。ラフ案で2、3案出すときは、あえて自分好みのテイストを入れたりもします。
映像の素材から撮るというところでしょうか。今、映像にとても興味があるんですよね。カメラを買い漁った時期もありました。ライブ撮影、ドキュメンタリー。海外ツアーにそのまま同行して、生の素材をおっかけたりしますよ。自分から、「それをとらせてもらえませんか?海外まで着いて行くので!」と言ってしまいます。(笑)
バンドって、もちろん上手くいっているバンドばかりじゃなくて。デザインで底上げできたらと思っているんですよね。やっぱりデザインは視覚をほぼとっているので。
視覚的にクライアントの底上げができたら、と思ってるんですよね。
ヨーロッパ、南米・・・ここじゃ無理だろうと言われている場所に行きたいんですよね。(笑)
もちろん、素材を撮影するためのスペックや環境に課題はあると思うんですが、いろんなものを見たいんです。デザインのために、感覚のためにというか。
誰も見たことがないもの、自分の頭の中にあるのを見えるようにするってめちゃくちゃ面白くないですか?目に見えないものを見た時にポジティブな感情が向けられると、またそれも嬉しいです。それが醍醐味かもしれません。
そうですね、どこかへずっと行っておきたいくらいです。笑
もちろん、得たものを形にしていきますが、デザインの仕事で、単純にまんべんなく手をつけている時が一番しんどいかもしれません。ただ、日常の中に、小さな感動はいっぱいあると思うんですよね。常に感動していたいです。海外はもうそればっかりなので、好きなのかもしれません。
キングプリンターズなどは使いますね。
印刷通販は、やっぱりサンプルがあったら嬉しいですね。1ピクセルまでこだわりたいです。
それから、分かりにくいのが紙の厚さ。感覚にとても関わるのに、出来てみないとわからないというところです。
手書きする手帳と、携帯くらいです。(笑)鞄も持たないのが理想です。
散歩しますね。頭の中でデザインを詰めたりしています。歩くのがめちゃくちゃ好きです。
いつでもどこでもデザインは気になっていますが、やっぱり海外デザイナーを中心にインプットが多いデザインは興味が出ますね。最近は情報がめちゃくちゃ早いのでどれだけ見てても飽きないです。
それから、今後の希望としては・・・バンドマン界隈にもデザイナーが増えてほしいなぁと思っています。(笑)
デザインに関しては、面白いことをしていきたい。
見たことないもんが好きなんですよ。それに出会っていきたいと思っています!
―本当に、音楽とデザインは、切っても切り離せない関係にありますね。
貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!
社名
:
株式会社takepoint 【Website】https://www.take-point.com
所在地
:
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-7-9 北谷マンション 306
氏名
:
山田 耕介
連絡先
:
koh(アットマーク)engu.net
運営者のコメント
技術の進歩と人との繋がり。テクノロジーを上手く使うことと、肉体そのもので感じることのバランス感覚が必要な現代、それを楽しみながら仕事をこなすデザイナーさんだと感じました。インタビュー中は真剣そのものでしたが、同時にいつまでも少年の輝きを忘れないような笑顔を何度も見せていただきました。公開となるDIRATIONのWEBサイト diration.com には大注目です!
2014年05月28日