デザイナー・インタビュー
Vol.20

RIZOO デザイナー

伊藤 慎祐 さん

「自分の能力を安売りするのはやめよう」と、独立を決意。

引き出しの多さと頭を使ったデザインに自信を見せる伊藤さん。謙虚なようでデザインに対する考えはしっかり筋が通っていました。

デザイナーとして独立された経緯を教えてください。

大学を卒業した後は社会の仕組みを知ろうと、サイン計画のデザイン会社に3年ほど勤めていたのです。公共施設や商業施設のサイン誘導を計画したり、デザインする会社でした。ここでやってきたこと「仕組みを考えてデザインすること」は今現在でも大きな礎になってます。本当に大好きでずっと働きたいとさえ思ったぐらいです。
ただ、会社員という立場ではできないことが色々ありました。
会社に所属する以上は大きな枠組みは自分の手の届かないところで決められています。デザインの範囲、報酬だって限られます。特に僕は製作担当だったので営業に関しては立場的にも能力的にも手出し口出しできなかったんです。
例えできたとしても、「そこまでするなら自分で動けばいいじゃないか」って思ったのが独立のきっかけでした。それから「自分のできることを狭く捉えるのはやめよう、自分の能力を安売りするのはやめよう」と考えるようになり、当時全然当てはなかったんですが、独立してみました。

会社員とフリーランスどちらが合ってますか?

僕はぜったいにフリーランスです。もともとディレクター願望もあって自由にデザインのことを考えたかったっていうのもあるし、作業ものんびりやりたい僕にはフリーランスという働き方が合っているとしか思えない。会社勤めにはもう戻れないです。

独立されてよかったこと、悪かったことを教えてください。

良いことは自分の仕事を自由に決められること、それから時間配分も自分の自由にきめられます。良いデザインをするにはパツパツに仕事を詰め込んではいけないと思うのです。基本的に仕事の場には新しい発想は落ちていないんですよ。一見デザインとは関係ないことに費やす時間が、巡り巡ってデザインの幅を広げてくれると僕は思います。
デメリットは収入面が不安定であるということかな。今はよっぽど苦しくはないのですが、なんの当てもなく独立した初年は、会社員の時の報酬と比べて惨敗でした!

稼げるデザイナーになるにはどうすれば?

技術的な面ではデッサン、PC操作ではなく手書きで描く下書きをしっかりすることが大事だと思います。ただ技術だけを磨いても稼げるデザイナーにはなれないと思います。結局大事なのは他の仕事と同じで、コミュニケーション能力と人脈だと思います。仕事はつながりで発生していくものなので、「つながり」をどう作り出せるかというのが大事。なにしろ僕らの仕事はやった仕事がそのまま次のお客さんの評価になりますから。

伊藤さんが手がけたハンバーガーショップのロゴ

伊藤さんが手がけたハンバーガーショップのロゴ


もともと、僕たちは“コトをクリエイト”をするチームです。コトを起こして、そこから派生するデザインを取っていくってことも多いです。今までの例で行くと、飲食店20店舗に参加していただいてFacebookスタンプラリーというのをやりました。そうすると20店舗の方と知り合いになるし、そのお客さんの目にも触れる。デザイン力や企画力も知ってもらえる。そうすると店舗さんに他の仕事でもお声がけいただけるようになります。あとはお客さんにとっての身近な相談相手になることが何よりも大事ですね。
そういった活動のルーツになっているのは、学生時代に行った地域活性事業です。

地域活性事業とは?

商店街の店主さん達と学生が組んで商店街の活性化をしようという活動です。実際は、区画整理でなくなることが決まっていた商店街だったんです。でも自分達は本気でしたし、学業もある中でただただ夢中でした。どんなに頑張っても区画整理を止められるわけではなく、そういう意味で僕たちの活動は儚いものだったかもしれません。
最初は商店街の人からも「学生に何がわかる」って鼻であしらわれたりしましたね。無力感に襲われて「もうだめだ?!」ってなったこともありましたし。
でも、商店同士のコラボ商品を企画したり、カフェを出店したり、フリーペーパーを出したりしているうちに、商店の方々の意識をちょっとだけ変えることができたり、商店街がお客さんの記憶に残ったりしたと思うんです。
商店同士の横のつながりや仲間意識は強まったと思いますし、商店が移転先の新しい場所で今でも学生とつながっていたりします。小さくて大きな成果だと思います。

ご自身をどのようなデザイナーと分析されてますか?

「こいつに頼めば色々な角度から案を出してくれる」という引き出しの多いデザイナーでありたいと思いますし、周囲からもそう言っていただいています。
今はフリーランスのデザイナーとして、学生時代からパートナーシップを組んできた森屋と一緒にRIZOOというクリエイティブチームで仕事をしています。もう10年近く一緒にやっているのですが、お互い視点やテイストが良い意味で違いまして。二人の異なった感性でアイディアを出したりイメージを擦り合わせたりすることで必ず一定以上のクオリティに持っていけるという自信ができています。自分達なりに安心感を持って提案ができる態勢が、学生時代から今までの年月をかけて構築できたと思います。

いつも印刷はどこを使われていますか?

モノによるのですが名刺はアドプリントや名刺21、大量に印刷をする場合は東京カラー印刷プリントパック、クオリティを追求したいものはグラフィックなどです。部数が多いときは東京カラー印刷などがとても安いのですが、不安感が若干あります。それはサイトが見づらいところだったり、過去の経験上。安心感や紙種という面ではグラフィックがいいですので使い分けます。

尊敬している人はいますか?

チームを組んで一緒に仕事をしている森屋のことはもちろん尊敬しています。
それとやっぱり母ですかね。一人になってみると、料理したり洗濯したり家事って大変じゃないですか。それを子供4人育てながら普通にやって、パートの仕事までやってって、すごいと今更ながらですが思っています。

なるほど。ありがとうございました!

伊藤さんへのご相談はこちらから

社名

コト・クリエイト・ユニット RIZOO(ライズー)

所在地

東京都

氏名

伊藤 慎祐

連絡先

lionbus1984@yahoo.co.jp

運営者のコメント

感性が若く幼い部分と、大人として割り切っている部分が両方あり、アンバランスな感じが魅力的です。確かに彼からは面白いデザインが生まれそう。「つながり」を作るデザイナーとしてますますのご活躍をお祈りいたしております!

2015年03月16日

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