おとなり台湾の印刷通販事情 Vol.3            「台湾の習慣・文化から見た印刷需要」

2013年12月08日

日本で需要のある印刷物

 日本で需要のある印刷物と言えば「チラシ・フライヤー」「ポスター」「封筒」「ポストカード」「名刺」などがあります。日本の場合、暑中見舞いや年賀状といった習慣が印刷物需要をさらに高めています。

 Googleが提供するキーワードプランナーからわかる検索ボリューム[対象のキーワードが12か月間で検索された回数の月平均値]を見てみましょう。

Google キーワードプランナー

例えば、「印刷」というキーワードで調べると、検索ボリュームは 33,100 あることが分かります。
そして、印刷物の代表格「チラシ」の検索ボリュームは49,500と非常に高い数値になっています。
以下、印刷物キーワードと[検索ボリューム]です。

ポストカード[14,800]
ステッカー[60,500]
名刺[60,500]
ポスター[49,500]
封筒  [18,100]

 

台湾で需要のある印刷物

日本で需要のある上記の印刷物の検索ボリュームは台湾では、どのようになっているのでしょうか。
まず、同じく「印刷」では、検索ボリュームは6,600です。日本との人口比(日本は台湾の約5.41倍の人口数)で考えるとかなり高い数値になっています。単純に人口比を揃えると35,706でほぼ同等の検索率と言えるでしょう。
日本と同じく以下印刷物キーワード、[検索ボリューム]、【人口比検索数換算(検索ボリューム×5.41)】

ポストカード:明信片 [4,400] 【23,804】
ステッカー:貼紙 [2,900] 【15,689】
名刺:名片 [9,900] 【53,559】
ポスター:海報 [5,400] 【29,214】
封筒:信封 [2,900] 【15,689】
チラシ:傳單 [390] 【2,109】

 

台湾での印刷通販のキーワードは BtoC か

これらのデータからも、台湾での印刷需要は日本と比較してほぼ変わらず、その中でもチラシ需要が小さく・ポストカード需要が大きいことが分かります。
台湾では新聞による折込チラシも少なく、スーパーなどのチラシも店頭に置いてあるものがほとんどです。そもそもチラシ需要が少ないというのが現状で、台湾の新聞の購読率も少なく、日本新聞協会によると成人1000人当たりの発行部数は211.7部となっています。(日本は459.1部)

では、ポストカード需要が高いのは何故でしょうか。これは、台湾の手紙文化に所以していると考えられます。
日本での年賀状や暑中見舞いの様に、若年層にもバースデーカードやクリスマスカードを贈る習慣があります。
バースデーカード(生日?片)の日本での検索ボリュームは18,100で、台湾では4,400(人口比検索数換算:23,804)と日本より30%近く高い需要率になっています。

台湾での印刷通販では、BtoBももちろんですが、BtoCでのビジネスモデルの確立が成功のカギになると思われます。

JP(日本郵政グループ)が行う郵便年賀状.jp(https://yubin-nenga.jp/design_kit/)のように、PCやスマホアプリで簡単にポストカードのデザイン・発注ができ、そのまま送り先まで届けてくれるサービス等に需要があるかもしれません。

<執筆者>大石弘務(おおいし ひろむ)
1990年生まれ。box LLC. CEO&Founder 自社webサービス開発・運営を行う熊本のIT企業の代表を務める。30歳未満に限定した異業種交流会「コレカラ」の発起・運営を行う。また台湾のマーケット調査を行い、日本・台湾相互間の企業進出サポートを行う。

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