生成AIを活用した画像作成が大きな注目を集めています。その中でも「Midjourney」は、直感的な操作と高品質なビジュアル生成で、多くのクリエイターに利用されています。Midjourneyは、抽象画やコンセプトアート、デザインイメージなど幅広いスタイルの画像を素早く生成できるのが特徴です。

今回は、Midjourneyで作成したデジタルアートを印刷通販サービスを利用して、自宅に余っていたIKEAの額にぴったりのサイズで印刷してみようと思います。

この記事では、Chat GPTを活用してMidjourney用のプロンプトを作成する工夫や、生成した画像のサイズ調整方法、そして実際に印刷通販で印刷するプロセスについて詳しく解説します。

まず、Midjourneyでデジタルアートを作成する

1. Midjourneyでのアート作成方法

Midjourneyは、ユーザーがプロンプト(AIへの指示)を入力することで、AIがその指示に基づいて画像を生成するツールです。アートだけでなく、デザインやイラスト、プロダクトのビジュアルなど、さまざまなスタイルのビジュアルコンテンツを作成できます。

Midjourneyでは、英語でプロンプトを書くのがスタンダードで、上手くいくケースが多いのですが、私は英語が苦手なので、今回はChat GPTを活用して、理想のアートを実現するためのプロンプトを作成していこうと思います。自宅にあったIKEAの額に合うアートを作成するため、額のサイズ(写真の内側の部分)は300mmの正方形ですが、上手にはめ込むために少し余裕を持たせて320mmの正方形でアートを作成することにしました。

自宅に余っていたIKEAの額

2. Chat GPTを使ったプロンプトの作成と修正の工夫

Midjourneyで希望通りの作品を作成するためには、プロンプトの内容が非常に重要です。まず、Chat GPTに「Midjourneyに素敵な抽象画アートを作成してもらいたいです。プロンプトを考えてください。先頭に『/imagine prompt:』を付けてください。」と依頼しました。Midjourneyでは、画像作成の際にプロンプトの先頭に「/imagine prompt:」をつける必要があるため、この形式で依頼することでスムーズにプロンプトを作成できます。

「Midjourneyに素敵な抽象画アートを作成してもらいたいです。プロンプトを考えてください。先頭に『/imagine prompt:』を付けてください。」

Midjourneyの使用方法

Chat GPTで作成したプロンプトを使って、Midjourneyで画像を作成していきます。Midjourneyを利用するには、Discordアカウントが必要です。Midjourneyの公式Discordサーバーに参加し、専用のチャンネルで「/imagine prompt:」を用いたプロンプトを入力することで画像を生成できます。

また、Midjourneyには無料トライアルがあり、一定枚数まで無料で画像を生成することが可能です。ただし、無料トライアルが終了した後は、有料プランへの加入が必要になります。有料プランでは、生成可能な画像の枚数が増え、より多くのオプションや機能を利用することができます。

さて、それでは先ほどのプロンプトで、Midjourneyで画像を作成したものがこちら。

Midjourneyで作成した画像(1)

既にいい感じなのですが、少し調整を加えていきます。
Caht GPTに「ありがとう!いい感じのものができました!色味を黄緑と黄色を中心にして、もうちょっと筆で描いたようなタッチに変更してほしい」と依頼してみました。新しく作成したプロンプトで作成した画像はこちらです。

Midjourneyで作成した画像(2)

しかし、ちょっと私の希望とズレてしまったので、再度修正します。
Chat GPTには「ちょっとイメージとずれてしまいました。。 色の雰囲気はいいのですが、もっと抽象的なほうがいいです」とリクエストしました。その後、新たに作成されたプロンプトはこちらです。

/imagine prompt: An abstract watercolor artwork featuring lime green and yellow as the dominant colors. The painting should be highly abstract with no recognizable shapes, focusing on the interplay of colors and brushstrokes. The composition should include dynamic splashes, drips, and bold, expressive strokes that create a sense of energy and movement. The blending of colors should be organic and spontaneous, with soft gradients and areas of overlapping hues. The overall impression should be vibrant and abstract, evoking a sense of freedom and fluidity, like sunlight filtering through a canopy of leaves.

そして、このプロンプトで作成された画像がこちら。

Midjourneyで作成した画像(3)

私の理想にかなり近づいてきました!
もうこれでも十分ですが、今度はMidjourneyの中で、バリエーションを作成して、さらに理想に近いものを探っていきます。

Midjouneyの中にあるV1、V2…のボタンからそれぞれのバリエーションが作成可能です。迷いましたが、ひとまず V3のボタンで作成してみたところ、私としては望ましいアートが完成しました。(2番目:右上が一番好みです!)

Midjourneyで作成した画像(4)完成!

画像のアップスケールと印刷用データの調整

Midjourneyで理想的なアートが完成したので、次に行うのは画像のアップスケールです。Midjourneyの生成画像は初期状態では解像度が低いため、印刷に適した高解像度にする必要があります。Midjourney内の「U1」、「U2」、「U3」、「U4」などのアップスケールボタンを使用して、選んだ画像を高解像度にしましょう。例えば、最終的に気に入った画像が4つの中の2番目(左下)であれば「U2」をクリックします。これにより、選んだ画像が詳細に描かれた高解像度のバージョンになります。

次に、印刷に適したサイズに調整します。今回はIKEAの額に上手に収めるために、最終的な印刷サイズを320mmの正方形としましたが、印刷の際に余白部分を考慮する必要があるため、塗り足し部分(上下左右3mmずつ)を含め、326mmの正方形の入稿データをPhotoshopで作成します。以下の手順で進めます。

Photoshopでの調整・入稿データの作成:

  1. Photoshopで新規ファイルを作成。その際、W 326mm × H 326mm のカンバスサイズ、解像度を300dpi、カラーモードをCMYKにする。
  2. Midjourneyでアップスケールした画像を配置。アップスケール下画像が縦横目一杯になればそのままでOK。調整が必要な場合は適宜調整。
  3. 画像を統合。

Photoshopで入稿データを作成

これで、印刷通販サービスに入稿するためのデータが完成しました。

…印刷通販での発注は後日、続きをアップします!