クリアファイルやアクリル製品に。白版(白印刷)データの作り方〜Illustrator編〜
クリアファイルやアクリルグッズの発注時に必要な白印刷って何?
クリアファイルやアクリルキーホルダー、アクリルスタンドなど、ほぼ透明な素材に印刷する際に必要となってくる白版データ。
通常、印刷物はCMYKの4色のインクの組み合わせを使って印刷されますが、このインク自体は下地が透けるため、デザインをはっきりと見せるためにはデザインデータとは別に、ベースに白いインクで印刷する必要があります。これを「白印刷」「白引き」「白抑え」といいます。
これを指定するためのデータが「白版」です。
白版がない場合
全面に白版を作った場合
部分的に白版を作った場合
白版データを作ってみよう
ここでは、ポイントを押さえながらIllustratorによる白版データの基本的な作成方法をご紹介します。
1.デザインレイヤーと白印刷レイヤーは別に作る
白印刷用のレイヤーは、デザインレイヤーと同じレイヤーに配置しても印刷されません。必ず、白版用のレイヤーを作成しましょう。
ここではデザインを配置した「デザイン」レイヤーとは別に「白版」レイヤーを作成しました。
2.白印刷にグラデーションは使えない
「白版」レイヤーに白印刷用のデータを配置します。
今回は、星のデザインの下に同じような形で白版を作りたいので、以下の手順で同じ場所にオブジェクトをペーストします。
- 「デザイン」レイヤーでオブジェクトを選択→「Ctrl+C」でコピー
- 「白版」レイヤーを選択して「Ctrl+F」で同じ場所にペーストします。
ウィンドウ>パスファインダー>「合体」でオブジェクトを一つに合体します。
印刷会社の白版の指定色を指定します。
ここでのポイントは、白印刷用のデータは、必ずベタ1色で作成するということ。
白版では色をブレンドしたり、グラデーションを使うことはできません
ここではK100%で指定しましたが、印刷会社によりDICで指定や、特色Whiteで指定する場合など異なるので、必ず印刷会社のテクニカルガイドに沿ってデータ作成をしましょう。
3.パスを-0.1mm小さくしよう
白引きは、特性上フルカラー印刷と同じサイズで印刷するとズレが目立ちやすくなるという性質があります。
というわけで、透け防止のために白引きを施す場合、多くの印刷所で0.1mm(印刷会社によっては0.2mm)パスを小さくすることが推奨されています。
白版に線を付ける方法もありますが、ここではパスのオフセットを利用します。
オブジェクト>パス>「パスのオフセット」を選択
今回は-0.1mm小さいオブジェクトを作りたいので「オフセット」に「-0.1mm」と入力します。
これで、-0.1mm小さいオブジェクトができました。
外側が元々あったパス。内側が新しくできたパスです。
あとは、元のサイズである外側のパスを削除すれば、白版レイヤーは完成です!
発注する際はテクニカルガイドとテンプレートを必ずチェック
以上が白版作成の基本的な作り方でしたが、使用できる白抑えの種類や、データ作成の指定色などは印刷会社によって異なります。
また、クリアファイルやアクリル系の商品は基本的に印刷会社指定のテンプレート必須な場合がほとんどです。
必ず、利用する印刷会社のテクニカルガイドとテンプレートをチェックしておきましょう。